1 屋久島環境文化村構想
(1) 屋久島環境文化村
屋久島には,豊かな水や多様な動植物相に代表される優れた自然が残されているだけでなく,自然とともに生き,自然を損なうことなく人々が形づくってきた生活文化があります。
屋久島環境文化村とは,世界の自然遺産を受け継いでいくとともに,同時に地域の人々の生活を支えあるいは豊かにするために,屋久島の自然と人間のかかわり(=環境文化)に対する認識を深めることを通じて達成される「共生と循環」型社会の再生という新たな地域づくりの試みです。
(2) 自然体験型の環境学習
屋久島という固有の自然環境の中で,歴史的につくり上げられてきた自然と人間のかかわりの過程と結果の総体が「環境文化」であり,環境学習は,屋久島の自然,生活,生産にかかわる全ての事象を素材とした「環境文化」を学習することを通じて,普遍的な自然と人間のかかわり方を学ぶことです。
地域の人々にとっては,学習の場や知識,ノウハウの提供を行うことが,また新たな産業を興し,あるいは交流によって社会や経済の活性化につなげることが可能になります。
さらに,住民自信にも環境学習を促し,自然との共生によって得てきた暮らしの豊さをあらためて見直し,地域での生産や生活を新たな未来に向けて組立てなおす契機としようとするものです。
このことから屋久島環境文化村構想では,このような島全体を対象とした「環境学習」を先導的事業として位置づけています。
(3) 中核施設の整備
平成4年11月に策定公表された「屋久島環境文化村マスタープラン」を受けて,屋久島における環境学習推進のための中核施設の開設準備に着手し,総合的な交流拠点である「屋久島環境文化村センター」と,環境学習をより深く理解し体験する場である「屋久島環境文化研修センター」を平成8年7月20日に開館しました。
〔1〕 屋久島環境文化村センター
ア 施設の位置付け・機能
・屋久島の自然,文化に関する情報提供(インフォメーション機能)
・環境学習の普及,推進(ゲート,オリエンテーション機能)
・地域内外を結ぶ交流(ロビー機能)
・環境文化村構想推進の核(センター機能)
イ 利用状況(表2-11)
〔2〕 屋久島環境文化研修センター
ア 施設の位置付け・機能
・環境学習の推進及び人材の養成(研修機能)
・研修参加者相互の語らいの場(交流機能)
・研修参加者を対象とした宿泊提供(宿泊機能)
イ 利用状況(表2-12)
(4) 屋久島環境文化財団
屋久島環境文化財団は,平成5年3月に,県,上屋久町,屋久町の出損により設立され,屋久島の優れた自然を守り,自然と共生する地域づくりを進めるための各種事業を実施しています。
(事業の概要)
〔1〕 屋久島環境文化村中核施設の管理運営事業
「屋久島環境文化村センター」と「屋久島環境文化研修センター」の管理運営
〔2〕 環境学習事業
屋久島自然体験セミナー,屋久島ショートプログラムなどの環境学習プログラムの企画・開発・提供
〔3〕 環境保全支援事業
山岳パトロール,清掃など環境保全のための普及啓発や環境保全活動への支援・指導
〔4〕 自然保護事業
ヤクシマシャクナゲ増殖など森林を修復・造林するための活動・支援,ウミガメ等の保護活動・支援
〔5〕 文化事業等
財団会報の発行,屋久島の環境保全に関するイベントの実施,環境保全先進地交流支援事業の実施,屋久島地域づくり支援等