目次に戻る  前のページに戻る

第3章 ゆとりとうるおいのある環境の形成

  経済社会の発展,成熟に伴う価値観の多様化により,環境に対するニーズも高まっている今日では,公害の防止や自然環境の保全にとどまらず,身近な緑や水辺,美しい街並みや歴史的な景観等といった,私たちの生活にゆとりや潤いをもたらす快適な環境を創造していくことが重要になっています。

第1節 緑の空間の保全・整備
  緑は,日常の生活において,人々にゆとりや潤いをもたらすとともに,水,大気などの浄化機能や動植物の生息地又は生育地を確保する等,自然と人間が共生する生活環境を形成する上で重要な役割を担っています。

1 都市公園
  都市公園は,道路,広場と一体となって都市の骨格を形成し,また市街地の外周においては,都市の無秩序なスプロールを防止し,あるいは良好な風致景観を備えた地域環境を形成し,自然とのふれあいを通じて心身ともに豊かな人間形成に寄与するとともに,スポーツ・レクリエーションの場の提供,公害・災害の発生の緩和,災害時の避難の緩衝,また,避難・救援活動の拠点地となり,さらには大気の浄化,浮遊ばいじんの補捉,防音,遮熱等,非常に多くの機能を有する都市の根幹的施設です。

2 都市公園の整備状況
  本県における都市公園は,平成10年 3月末現在,14市36町において開設公園は,911 カ所,約1,405ha で,県民1 人当たりの都市公園面積は,10.0m2メートルです。(資料編10-1参照)

 (1) 市町村都市公園の整備状況
   平成10年度は,15市町村,16公園において,それぞれの地域の特色を活かした都市公園の計画がされ,整備が行われています。(資料編10−(3) 参照)

 (2)  県立公園の整備状況
   本県では,6 公園,164.2ha の県立公園が開設されており,うち吹上浜海浜公園,大隅広域公園の2公園が整備を進めながら随時供用を開始しており,また北薩広域公園が平成13年度一部開園を目標に整備を進めています。 (表3-1,2,3

表3−1 県立公園の整備状況

表3−2 平成10年度県立公園整備状況(補助事業)

表3−3 平成10年度県立公園整備状況(県単独事業)

3 街路緑化
 県管理の道路において,歩道(原則として幅員2.5m以上),中央分離帯及び廃道敷など自然条件や道路の状況などを勘案して,潤いのある都市環境や沿道景観の形成を図るため,地域に適した植栽を行っています。
  また,グリーンプラン21,花とみどりによる [観光地振興計画] 等も踏まえながら街路の緑化に努めています。(平成10年度街路緑化事業については資料編10−(4) 参照)

4 グリーンプラン21の推進
 みどりは健康な生活を支えるとともに安らぎやうるおいの場,レクリエーションの場となるなど人間生活に不可欠のものです。
 しかしながら,みどりの環境の整備,特に樹木や森林の育成は一朝一夕にできるものではありません。
 このため,21世紀のみどり豊かな郷土づくりを目指して,みどりのLAP 作戦を展開し,総合的,長期的観点から緑化を推進しています。

 〔1〕  みどりの回廊づくり
  みどりによる美しい景観づくりを効果的に推進するため,みどりの回廊づくりによる景観形成を推進しています。

表3-4  平成10年度 みどりの回廊づくり事業の実績

 〔2〕  みどりの交流空間づくり
  県内各地において,地域の特性を活かした公園,緑地等の一層の整備を進め,みどりの交流空間づくりを推進しています。

 〔3〕  照葉樹の森の整備
  大隅半島南部の貴重な照葉樹林を後世に伝えるため,照葉樹林の保護と再生・活用をテーマに照葉樹の森を整備しています。

表3-5   平成10年度 照葉樹の森整備事業の実績

 〔4〕  みどりの風土づくり
   みどりの減少や美しい景観の失われつつある地域について,積極的な緑化と景観整備を推進し,地域にふさわしい快適なみどりの風土づくりを推進します。

 〔5〕  みんなで創るかごしまのみどり
  ・県民総参加のもとに,みどりづくりを実践できるよう啓発活動や緑化行事を充実するとともに,緑化推進組織の強化や民間団体の育成を行っていきます。
  ・(財)かごしまみどりの基金との連携を図り,県民がみどりづくりに参加する機会を増大させるとともに,緑化事業をきめ細かに展開しています。

第2節 水辺空間の保全・整備
  渚,川辺,湧水等の水辺は,生産や国土保全の場として機能しているほか,スポーツ,水遊び,魚釣りなど,水とのふれあいの場や動植物とのふれあいの場としての利用など,人々の生活にとって貴重な価値を持つ空間となっています。
  また名水百選に選定された川辺町清水湧水や霧島山麓丸池湧水(栗野町),屋久島宮之浦岳流水をはじめ,各地に湧水や流水があり,地域の人々に親しまれています。

1 河川の環境整備
 県では,河川が水と緑のオープンスペースとして潤いを与え,地域におけるふれあいの場となることから,ふるさとの川モデル事業による天降川の整備などの河川環境整備事業や渓流再生事業による花川渓流の整備などにより水辺に親しむ施設や自然環境に配慮した河川の整備を進めました。(資料編10−(5) 参照)

2 港湾の環境整備
 
本県の港湾は県民の輸送基盤の根幹をなし,地域物流の拠点として重要な役割を担っています。近年社会情勢の変化の中で従来の物流・産業の面のみならず,文化・レクリエーションの面も合わせ持ったウォーターフロントとしての港湾に期待が高まっています。
 港湾の環境整備については,港湾利用者・周辺住民が,海とふれあうことのできる快適で賑わいのある空間や緑地・広場等の整備を行いました。(資料編10−(6)参照)

3 漁港の環境整備
 
漁港は,漁業生産活動の拠点であるとともに,漁村地域の住民にとっては日常生活の場でもあることから,快適で潤いのある漁港空間を形成するために,漁港環境整備事業により,緩傾斜護岸など水辺に親しむ施設や,自然景観に配慮した緑地・広場などの整備を進めています。(資料編10-(7)参照)

4  海岸の環境整備
 県では,海岸環境整備事業などにより自然環境に配慮しながら,潤いのある海岸空間の整備を行いました。  (資料編10−(8)参照)

第3節 景観の形成
  景観は,自然と人間がつくりだした人工物,さらには人々が歴史や暮らしの中で育んできた風俗や風習などのさまざまな要素が一体となって成立しています。
  県内においては,霧島や屋久島など緑豊かな山地樹林景観,桜島や開聞岳などのランドマークと調和した鹿児島湾の景観やのどかで穏やかな農村景観,活動的な都市景観など多彩で美しい景観が見られ,人々にゆとりや潤いをもたらしています。

1 景観形成への取組
  県では,これまで錦江湾や霧島地域を対象にした「錦江湾ウォーターフロント景観形成マニュアル」や「霧島景観作成マスタープラン」などを策定するとともに,県土の緑や街並み・建築物などの特定対象物の景観についても「グリーンプラン21」や「鹿児島まちなみデザインマニュアル」を策定し,それぞれ優れた成果をあげつつあります。
  また,県内各地で個性あるまちづくりや歴史的街並の保存,美化活動,各種公共事業等により,良好な景観形成が図られつつあります。
  このような中,特定の地域や特定の対象物にとどまらず,県土全域を対象に地域の特性を活かした景観形成を進めるためのガイドラインとして,平成10年3 月に「鹿児島県景観形成基本計画」を策定しました。

2 計画策定の趣旨
 本県は,多彩で豊かな自然や歴史・文化資源に恵まれており,人々の生活との調和が生み出す美しい景観は,本県の大きな魅力となっています。
 県では,県,市町村,民間事業者等が協力しながら,地域の特性を生かした景観形成を推進するための基本的方向を示すため,県景観形成基本計画を策定し,景観形成の方向等を示しました。
(1) ゾーン別,タイプ別,景観形成の方向
  〔1〕 ゾーン別景観形成の方向
   県土を,地形,気候,歴史,・文化などを勘案して,出水ゾーンから奄美ゾーンまでの12のゾーンに区分し,地域ごとの特性を踏まえた景観形成の基本的な方向を示しています。
  〔2〕 タイプ別景観形成の方向
   県土全体に共通する山地樹林景観や農村景観など8つのタイプを設定し,景観形成の配慮事項を示しています。

目次に戻る  次のページへ  このページのトップに戻る