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第5章 良好な環境を支える共通施策の推進

第1節 環境基本条例の制定
1 条例制定の趣旨
 近年生活排水等による水質汚濁や廃棄物等の増大や適正処理の問題あるいは地球環境問題等が新たな課題となっていますが,これらの環境問題に適切に対処するためには,従来からの事業者に対する規制的手法だけでは対応が困難であり,県民や事業者等がそれぞれの立場,役割に応じて,自主的積極的に環境の保全及び形成に取り組むことが必要となってきています。
 このため,ライフスタイルや社会経済活動全体が環境に配慮されたものとなるよう,県民,事業者,行政それぞれの責務を明らかにするとともに,公害の防止,自然環境の保全,地球環境の保全などに関する各種施策を推進するに当たっての基本理念や基本方針を定める環境基本条例を定める環境基本条例を制定しました。(平成11年3月26日公布,平成11年4月1日施行)

2 全体構成
 ○前文
1 総 則
(1) 目的
(2) 定義
(3) 基本理念
(4) 県,市町村,事業者,県民の責務
(5) 相互連携
(6) 年次報告書

2 環境の保全及び形成に関する基本的施策
(1) 環境の保全及び形成に関する施策の基本方針
(2) 環境基本計画
(3) 環境の保全及び形成のための施策等
 @ 施策の策定等に当たっての配慮
 A 情報の提供
 B 環境学習等の推進及び自発的活動の促進
 C 環境影響評価の推進
 D 規制の措置及び監視等の体制の整備
 E 調査研究等の推進
 F 資源の循環的な利用の促進等
 G 地域の特性を生かした快適な環境の形成
 H 事業者及び県民への支援
 I 原子力発電所周辺地域における環境放射線の監視,測定等
(4) 地球環境保全の促進
 ○ 附 則

第2節 環境基本計画の推進
 県では,健やかでうるおいのある豊かな環境を目指して平成10年3月に「鹿児島県環境基本計画を策定しました。
 この計画では,
・「環境にやさしい鹿児島(循環)」
  環境への負荷の少ない循環を基調とする地域社会の実現
・「自然とともに生きる鹿児島
  自然と人が共生する地域社会の実現
・「未来と地球に貢献する鹿児島(参加)」
  あらゆる立場の人たちが環境保全活動に参加する地域社会の実現
の3つの基本目標を示したうえで,目標の実現に向け,5つの環境保全施策及び9つの重点施策を揚げ(図5−1),施策相互の連携を図りながら,総合的かつ計画的に施策を展開しています(計画の進抄状況については,本編第7章(P197)を参照)。
 なお,この計画の期間は,平成10年度(1998年度)から平成19年度(2007年度)までの10年間です。

図5−1 環境基本計画における施策体系 〇環境保全施策
図5−1 環境基本計画における施策体系 〇環境保全に関する重点施策

第3節 環境影響評価の等の推進
 
環境影響評価(環境アセスメント)は,環境に著しい影響を与えるおそれのある大規模な開発事業の実施前に,事業者自らが事業の実施による環境への影響のついて調査,予測,評価を行い,その結果に基づき,環境の保全について適正に配慮するための制度です。

 1 環境影響評価
 国においては,これまで昭和59年に閣議決定された環境影響評価実施要綱や公有水面埋立法等の個別法,各省庁の行政指導により環境影響評価実施されてきました。平成9年6月には,環境影響評価を実施する前に,その方法について住民,知事等の意見を聴いて決める手続きの導入や対象事業の拡大等を図った環境影響評価法が公布され,平成11年6月から全面的に施行されました。
 本県においては,平成2年12月に鹿児島県環境影響評価要綱を制定し,平成3年4月から施行しています。

 表5−1 鹿児島県環境影響評価要綱の対象開発事業
(1) 第1種事業

(2) 第2種事業

県の要綱では,国の閣議要綱等に定める事業を第1種事業とし,ゴルフ場,養豚場,奄美群島における農用地の造成事業等の本県独自の事業を第2種事業としています。(表5−2)
 また,予測・評価の項目としては,大気汚染,水質汚濁,土壌汚染,騒音,振動,地盤沈下及び悪臭の典型7公害に加え,地形・地質,動物,景観及び屋外レクリエーション地の自然環境の5要素を定めています。
 平成10年度中に環境影響評価要綱に基づき,審査・指導を実施し,環境保全上の意見を述べたものは表5−2のとおりです。

表5−2 環境影響評価に関する審査・指導実施状況

2 工場等の新設に係る事前協議
 県公害防止条例第16条により,有害物質を含むばい煙・汚水を排出する施設や,排出ガス量・排出水量が極めて多い施設を設置する場合には,周辺地域における公害を防止するために事前に知事と協議することが必要です。
 平成10年度中に協議のあった工場等の新増設は,表5−3のとおりです。

表5−3 工場等の新増設に係る事前協議状況

3 土地開発行為に係る事前事業
 県では,昭和49年12月に,県土の無秩序な開発を防止し適正な土地利用を図ることを目的として,「鹿児島県土地利用対策要綱」を,また,大規模な土地取引に対しては,関係法令の規制等について事前に指導するため「大規模取引事前指導要綱」を制定しました。
 両要綱に定められた土地開発行為については,都市計画法,農地法,森林法等の個別規制法令に基づく許認可申請や届出の前に,事業計画の内容等について環境保全面からも検討を行い,適切な指導を行っています。
 また,国土利用計画法に基づき,土地の売買に際して,必要に応じ,環境保全面からの配慮事項について意見を述べました。
 平成10年度の事前協議等の件数は,下記のとおりです。
・大規模土地取引等事前指導・・・・・5件
・国土法に基づく土地売買・・・・・・・・41件
・土地利用協議・・・・・・・・・・・・・・・・・0件

第4節 環境学習の推進
 今日の環境問題を解決していくためには,県民一人ひとりの環境保全への理解と自主的・積極的な取組が必要です。特に子供たちが自主的に行う環境学習や環境保全実践活動を通じて環境保全の大切さを理解することが重要です。
 このため,県では,「鹿児島県環境学習推進基本方針」(平成2年度策定)に基づき,鹿児島県環境保全基金(4億円)の運用益を活用して,こども環境学習支援や環境学習アドバイザー派遣などにより環境学習の場を設け,環境保全意識の高揚や地域における環境保全実施活動の促進を図っています。
 また,県教育委員会では,「みんなで進める環境教育セミナー」の開催や,文部省主催の「環境学習フェア」,「環境教育担当教員講習会」への教師派遣など指導者の育成に努めるとともに,鹿児島市立城南小学校を環境教育研究協力校に指定し,特別活動や学校の裁量時間を利用したり,一般の授業の中の教科学習と関連させたりして,環境教育をおこなっています。

1 環境学習ネットワークの構築
 
県民交流センター(仮称)に整備する「生命と環境の科学ゾーン(仮称)」徒歩化の環境関連施設とのネットワーク化を進め,同施設に県内の環境の状況や環境保全活動等に関する情報を県民に提供するコーナーの設置を検討しています。

2 県環境保全基金による事業
(1) こども環境学習支援
 こどもエコクラブの会員など次代を担う子供たちを対象として,自然観察会や実践活動グループ間の意見交換会等を実施し,地域における自主的な環境学習や環境保全に向けた取組を支援しました。

  1. こども環境学習実践グループ交流会
    実  施  日  平成10年 8月25〜27日
    場     所  屋久島
    参  加   者  7グループ(34人)
    内     容  活動事例発表,意見交換,施設見学,(屋久杉自然館等),自然観察(ウミガメ観察等)等
  2. こどもエコクラブサポーター研修会
    実  施  日  平成11年 2月13日
    場     所  県青少年研修センター
    参  加   者  サポーター(11人)
    内     容  活動事例発表,意見交換,ネイチャーゲーム入門講座等

(2) 環境学習アドバイザー派遣
 市町村や企業,各種団体が実施する「環境学習講座」や「自然観察会」などに,アドバイザーを講師として派遣し,県民の環境保全意識の啓発と実践活動の促進を図りました
 A アドバイザーの委嘱・活動状況
 県内の公害,環境保全,環境保健,消費生活,自然観察などの学識及び経験を有する者19名をアドバイザーとして委嘱し,地域における概ね20名以上(観察会等は10名以上)の学習会,自然観察会等で公園や実施指導を行っています。
 B 実施日及び参加者表5−4のとおり

表5−4 環境学習アドバイザー派遣 実施日及び参加者

(3) 洋上環境教室
 鹿児島湾の水質保全意識の高揚を図るため,鹿児島湾水質保全作品コンクールに入賞した児童とその保護者を対象に,海上で鹿児島湾の地形的な水質調査などの体験学習を行いました。
  実  施  日  平成10年 7月26日
  場     所  鹿児島湾海上,県環境センター
  参  加   者  7人
  内     容  水質監視デモンストレーション,水質実験等

(4) 親子磯部教室
 鹿児島湾の環境保全対策について理解を深めてもらうため,親子磯部教室を行いました。
  実  施  日  平成10年 8月 7日
  場     所  桜島
  参  加   者  53人
  内     容  魚の放流体験,海岸清掃,磯部生物の観察及び解説,鹿児島湾口クイズ等

3こどもエコクラブ
「こどもエコクラブ」は次代を担う子供たちが,地域において自主的に環境学習や実践活動を行うために,小中学生数人から20人程度で結成されたクラブです。
 県では環境政策課内に事務局を置き,子供たちが地域の中で仲間と一緒に地球環境,地球環境に関する学習や具体的な取組・活動が展開できるよう支援しています。
(1) 10年度の登録状況
 クラブ数         80クラブ
 会員数         732人
サポーター(指導者)数 47人

(2) クラブの活動内容
 リサイクル,自然観察,ごみ拾い,清掃活動,牛乳パックからの紙作りなど

4 屋久島における環境学習
 屋久島環境文化財団では,世界自然遺産に登録された屋久島の自然をフィールドに,自然の大切さや自然と人との関わり(「環境文化」という。)を学ぶ環境学習事業を屋久島環境文化研修センターを拠点に展開しています。これまでの受講者数は,表5−5のとおりです。

表5−5 環境学習受講者数

(1) 環境学習自主事業
 @ 屋久島自然体験セミナー
 県内はもとより,全国の小・中学生,高校生,大学生,一般の方を対象に,月1回程度,概ね2泊3日の日程で,屋久島の海,山,川などをフィールドに,野外活動を中心として実施する自然体験型の環境学習です。
 毎回,テーマや研修内容,対象者を決め,全国に募集を行っています。
また,このほか主に島内の方々を対象に1泊2日程度のセミナーも実施しています。
 A 屋久島ショートプログラム
 誰でも自由に参加できる1時間程度の室内レクチャーで,屋久島に関する基礎的な環境学習です。
 ビデオやOHPなどを使って屋久島の概要等を説明します。屋久島を知りたい方は,1人でも受講できます。
 ・毎週土曜日(午後3時〜)
 ・日曜日(午前10時〜)
 ・夏休み期間中は毎日(午後3時〜)1回実施しています。
 B一日研修
 島内の方々を対象に,星空観察会(年4回)や環境庁,上屋久町,屋久町を共催で行う“自然に親しむ集い”(年6回)などを実施しています。

(2) 環境学習受入事業
 小・中学校,高校,大学の教育活動の一環として,あるいは環境関係団体やエコツアー各種団体からの要請に応じて実施しています。
 ・短期間研修 (10人〜80人,1〜2時間)
 ・ 1日研修   (10人〜,宿泊を伴わない)
 ・宿泊研修   (10人〜40人,1泊2日)

第5節 環境保全に関する普及啓発
 1 環境の日及び環境月間
 
6月5日の「環境の日」は,事業者及び国民の間に環境の保全についての関心と理解を深めるとともに,積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるため,hうぃせい5年11月に公布,施行された「環境基本法」に基づき設けられました。
 そもそも,6月5日は,1972年にストックホルムで開催された「国連人間環境会議」が6月5日から始まったことを記念して我が国の提唱により設けられた「世界環境デー」を踏まえたものです。
 以来,我が国では,6月5日から11日までの1週間を「環境週間」として,また,平成3年からは,6月を「環境月間」として設定して環境保全の普及啓発に努めています。
 本県においても,関係機関団体の協力のもとに,環境問題に対する関心を高め,できることから行動に移す機会にするため,各種の関連行事を表5−6及び表5−7のとおり実施しました。

表5−6 環境月間関連行事

表5−7 県内市町村・民間団体の環境月間行事等実施状況

2 自然保護月間
 
本編第2章第1節6−(1)を参照(P144)

3 みんなで創るかごしまのみどり推進
 21世紀に向けて緑豊かな県土作りを推進するために策定された「グリーンプラン21(県緑化基本計画)」の実現に向けて,県民参加によるみどりづくりを推進するため,緑の少年団活動の促進や,地域における緑化実践活動を助成するとともに,2月1日〜4月30日を「緑化強化期間」と定め,緑化推進運動を集中的に実施し,緑化の普及啓発を行っています。(表5−8

表5−8 緑の少年団の結成状況

4 「森へ行こうよ」野外活動促進事業
 みどりは人間にとって,国土の保全,水資源のかん養,学習・レクリエーション活動の場等人々の安全で快適な生活環境を確保するうえで,重要な役割を果たしています。
県では,県民のみどりに対する理解を深める機会を充実させ,自然とのふれあいを通じて,その恩恵に感謝し,みどりを守り育てる意識を高揚させることにより,21世紀に向けた県民参加にみどりづくりを促進するため,「森へ行こうよ」野外活動促進事業を推進しています。

表5−9 平成10年度「森へ行こうよ」野外活動促進事業開催イベント

5 空き缶散乱防止強化月間
(1) 県クリーン・リサイクル推進対策要綱の概要
 県では,ごみや空き缶の持ち帰り運動を積極的に進め,県,市町村,県民及び事業者が一体となって空き缶防止に取り組むために,平成4年6月3日に「鹿児島県クリーン・リサイクル推進対策要綱」を制定し,県民運動としての対策が図られるように努めています。
 (要綱の趣旨)
ア 環境美化→再資源化という総合的対策の推進
イ 県,市町村,県民及び事業者それぞれの債務分担
ウ 鹿児島県クリーン・リサイクル推進協議会の設置

(2) 空き缶散乱防止対策事業
ア 市町村の活動
 県下7市町が空き缶散乱防止のための条例を制定しているほか,要綱の制定,協議会の設置,各種普及啓発事業などが進められています。
イ 県の活動
 県は,各種の散乱防止対策が円滑に進められるよう,清掃美化事業を実施している関係各課と連携をとっているほか,8月を「空き缶散乱防止強化月間」とした,九州統一のポスターやラジオスポットによる県民への啓発や統一美化活動実施の呼びかけなどを行っています。

表5−10 10年度空き缶散乱防止対策事業実績

6 全国星空継続観察
 
全国星空継続観察は,環境庁が各自治体や天文クラブ等の協力を得て,昭和63年から実施しているものであり,星空観察という身近な方法により,大気の観察活動を行うことを通じて,大気の果たしている役割やその保全に対する国民の意識を高め,ひいては,大気保全をはじめとする環境問題について,一層の関心を深めていく目的としています。
 平成10年度は,全国で夏期は499団体,冬期は,361団体が参加し,鹿児島県においては,夏期は16団体,冬期は13団体が参加しています。
 観察結果は,次のとおりであり,鹿児島県は,ここ数年,参加市町が上位を占めており,星の観察に適している場所となっています。

表5−11 スターウォッチング結果
@平成10年度 夏期分 (H10. 8.12〜  8.25)

A平成10年度 冬季分 (H11.1.17〜1.20)

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